提言4:現場で頑張る労働者にエールを
- mysticage
- 8月22日
- 読了時間: 6分
更新日:9月5日
機械化・デジタル化による効率化・省力化進み、人間がやらなければならない仕事はだんだん少なくなってきています。それでもまだまだ、人の手でやらないとできない、やらざるをえない仕事はたくさんあります。それらの仕事の多くは、機械ではできない、まだ機械に任せることができない、面倒できつくてデリケートな仕事です。それらの仕事は多くの人がやりたがらないため人手不足であり、求められている責任と技能と時間に対する報酬も見合っていません。
その中でも私が特に敬服している仕事を、ごく一例ですが、以下あげてエールを送りたいと思います。
(1)医者、看護師
命を預かる職業である医者と、それをサポートする看護師。その責任とプレッシャーは相当なものがあると思います。そのような仕事に従事する方々ですが、もちろん初めから何でも知っているわけではなく、何でもうまくいくわけでもなく、研修や実務の中でいろいろ経験し、少しの失敗や不手際もしながら、だんだん一人前になっていくのでしょう。特に手術なんてとんでもないことを、よくやれるようになるものだと感心します。
でももちろん失敗が許される職業ではありません。失敗して人を死なせる、重症化させる、などということがあれば、激しく責められます。気に入らない治療をされると腹が立ちますし、悪評も広まります。特に救急医療なんかは、自分の専門分野でない症状にも対応せざるをえないので、ほとんどの場合ベストの処置なんてできないのが当たり前だと思いますが。
責任やリスクを回避する姿勢の医療機関を除き、多くの病院は人手不足で、医療従事者は長時間労働や夜勤もしながら、日々疲労の中で重圧と戦っていることでしょう。そんな人たちに対して深く敬意を表したいと思います。
(2)工事をする人々
住宅やビルなどの工事現場で働く人々、生活を維持し快適にするための社会的インフラの整備・メンテ作業をする人々など。これら工事に携わる人々には、設計・手段・材料・安全性・耐久性などの知識、手際の良さと実行力、暑い・汚い・危険への対応、など様々なものが求められます。しかし実際にその現場で作業をする人達には、見合うだけの報酬が届いていないと思います。割に合わない、キツイ汚いということで若い人達は長続きせず、そもそもそこに従事しようという人達が少なく、なかなか女性が進出できる仕事でもなく、作業者は高齢化し、ノウハウが伝承されず、人手不足がどんどん深刻化しています。
このような現場作業を担う人々に深く敬意を表したいと思います。
今後機械化の進展と技術の進歩である程度はカバーされていくのでしょうが、もっと若い人達が従事したいと思える報酬と作業負荷の軽減分散(従事者の増加)をはかっていかねばならないと思います。
(3)トラック・バスなどの運転手、配送業者
物流は血液、血がまわらないと人は生きていけない、物流が機能しないと社会はまわりません。なのに年々増えている物流の、その担い手は年々減少傾向です。キツイ、給料が見合わないということで。
残業時間の規制、荷物の上げ下ろし作業をさせるのを禁止、などのルール改善は行われていますが、まだまだ荷主優位の意識が強く、給料面などの待遇改善はあまり進んでいないと思われます。このような業界にはなかなか人は集まりません。
しかも事故のリスクが大きい。トラックの交通事故は本当に多く、運転手やトラック会社の責任が問われるケースが目立ちます。もちろん不注意やルール不徹底などの責任はあるでしょうが、無理がかかる中でそこまできっちりした対応ができないという実態があると思われます。
本当にかわいそうです。この業界の人々に深く敬意を表するとともに、待遇改善を望む次第です。皆さんも頼んだ荷物がすぐに届くのが当たり前とは思わない、不在再配達をさせない、時間を待たせないように協力をする、など心がけていただきたいです。トラックの路上駐車には理解を示し、走行中のトラックの前に割り込むとか横をすり抜けるなどの危険行為はやめましょう。
(4)警察官、消防士、自衛隊員など
言わずと知れた、人々の生活を守り、平和と安全を維持し、危険な時には身を張って守って救ってくれる人達です。交通違反取締りには腹が立つ、よくサボっている、など気に入らないことも多いですが、命を張って守ってくれている人達です。リスクが大きい、殉職者が多い、トラブル対応以外でもけっこうキツイ仕事のため、ほとんどの人が就職を敬遠する、こんな仕事に従事する人達に深く敬意を表したいと思います。
他にもまだまだ、十分に報われない中で社会のために頑張って働いている人達は多くいると思います。そのような人達や、いろいろなサービスに対して文句を言う人は多いですが、自分が相手の立場ならどうかということも考えて、広い心で敬意を持って接していただきたいと思います。
2025年9月5日 追加コメント
川崎ストーカー殺人事件で警察の不手際が批判を浴びています。もちろん警察の対応のまずさ、情報共有の不具合、は問題です。
ただ正直、警察がまだ事件になっていない個々の事案に対し、そこまで面倒を見ることができるか、そこまで手が回るのか、という現実的な問題はあると思います。川崎の件はもう事件だという扱いにすればよかったのかもしれませんが、事件になる前に犯人になりそうな人を逮捕・拘束することはできませんし、数多くのストーカー的な行為に対し全てにきっちりした対応をとるのは、限られたキャパしかない現場の警察官には無理があるのではないかと想像します。
酷な言い方で申し訳ありませんが、川崎の被害者の父親は娘をもっと守ってあげることはできなかったのでしょうか。肉親が守れないのに、無料サービスである警察が守れるわけはありません。警察を頼るより、お金を出してボディーガードを雇うとかの対処もできたかもしれません。
警察に限らず、病院、消防、自衛隊、ボランティア、全てに関して言えることは、何でも人に頼るのではなく、まず自分が家族が、しっかり対処することが大切です。自分で不可能な事はお金を出して、プロ・専門家に助けを求める、より良い専門家を探して依頼する、ということになります。なんでも他人のせいにしない、問題が起きたらそれは自分が至らなかったのだ、ということです。
もちろん何か起きたらまずは、警察に相談する、救急車を呼ぶ、医者に相談する、などのことは必要であり、そこを躊躇してはいけません。そこから後をうまく進めることができるかどうかが、自分・当事者にかかっています。皆さんがしっかりと自覚をもって対処することを心がけていただきたいと思います。

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